屈折矯正手術(レーシック)をお考えの方へ

私は平成10年に米国でレーシックを受けました。その術後の見え方の素晴らしさに感動し、この手術をライフワークにしようと心に決めました。以来、10年以上の年月が経ち多くの方々に喜んでいただいていますが、一方では最近「格安レーシック」施設が問題視され、しばしば報道されています。
我々が国内でレーシックを始めた平成9年頃は、両眼で60万円の手術料を頂いていました。当時はレーザーで近視が治ることなど、ほとんど知る人はいなかった時代です。以来、手術を希望する患者さんが増えてくるに従い、我々のクリニックでも手術料を少しずつ下げることが可能になってきましたが、医療の安全と質を保つためにはどうしても削ることのできない部分があります。
また、技術には価値があります。メガネやコンタクトレンズを30〜40年使用する費用や不便さを、レーシックは解消してくれますが、その最新技術が、1-DAYタイプのコンタクトレンズの2〜3年分の費用で提供できるはずがありません。多くの患者さんを多くのスタッフが分業して対応すればコストを抑えることができるとしても、患者さんのご希望を拾いきることは難しいでしょう。「良いものをより安く」という考え方は間違ってはいませんが、薄利多売方式は医療の本質にはなじみません。
レーシックやその他の屈折矯正手術は医療行為です。手術は、家電や洋服のように同じ製品ではなく取り替えることも出来ません。患者さん一人一人で眼の状態は異なりますし、見え方の希望もそれぞれだからです。また、医療に絶対はなく、効果には個人差があります。だからこそ手術だけではなく、術前から術後まで一人一人と向きあうことが大切です。大変な時間と労力ですが、どんな手術においても一番重要なことだと考えています。もし一度の手術で希望の見え方にならなかったとしても、担当医に相談をして納得のいく説明を受け、希望に近づくための追加治療ができる、そんな信頼関係が大事なのではないでしょうか。 「格安レーシック」施設では、執刀医の顔が見えません。手術前に一度も診察をしてもらっていない医師に、ご自身の大事な眼の手術を任せることは避けるべきです。皆様のご両親・ご兄弟・お子様・ご友人などからレーシックを受けたいと相談があったときに、決して「一番安いところで受ければ」とは考えないはずです。
レーシックや他の屈折矯正手術は、私の人生を変えたように、その患者さんの人生を変える程のポテンシャルをもった素晴らしい医療技術です。より多くの方にレーシックの素晴らしさを知って頂きたいと10年間頑張って来ましたが、昨今の「安売り合戦」により、多くの不幸な患者さんを生み出している結果を憂慮して、メッセージを書きました。
最後までお読み頂いた皆様、どうもありがとうございました。