通常のレーシックを既製品とするならば、オーダーメイドのレーシックにあたるのがカスタムレーシック。いろいろなカスタムレーシックがありますが、下の3つのシステムを駆使しておこなうカスタムレーシックのことだけをアイレーシック® (iLASIK®) と呼びます。
アイレーシック®(iLASIK®)はその安全性と見え方の質の高さが研究によって証明されており、いままでレーシックを受けることが認められていなかったパイロットや宇宙飛行士も受けることができる、唯一のレーシックです。2006年12月に米国国防省が戦闘機のパイロットに、2007年9月に航空宇宙局(NASA)が宇宙飛行士に、カナダが2009年2月に戦闘機パイロットに承認しています。
みなとみらいアイクリニックでレーシックをお受けになる方の9割以上が、このアイレーシック®(iLASIK®)を選択されています。
2019年5月、目を詳しく解析する機器である波面収差解析装置が、最新機器の” iDESIGN® Refractive Studio” になりました。
最大1,257か所もの測定ポイントを瞳孔内の直径7mmの範囲に設置し、低次収差(近視・遠視・乱視)と高次収差(微細な光のゆがみ)を精密に解析します。また、角膜形状解析マップが追加され、乱視矯正の向上が期待できます。
検査中と手術中の姿勢や明るさの違いによる目の変化がレーザー照射に影響しないように補正するシステム、虹彩紋理認識システムIR(Iris Registration)を備えています。
iFS® アドバンストフェムトセカンドレーザーは、数千個のレーザーパルスを並列させて角膜内に切除面を形成します。フラップの直径、深度、端部角度、形状をミクロン単位でコンピューター制御でき、非常に安全に理想的な形状のフラップを作成することができます。
角膜移植手術用の角膜切開プログラムも備えています。
STAR S4 IR® エキシマレーザーは、生体組織に熱変性(やけど)をほとんど起こさずに正確に切開や切除ができる、特殊な高エネルギーのレーザーです。レーシックやPRKではこのレーザーを使用して角膜の実質部分を削り、角膜前面のカーブを変化させて近視・遠視・乱視を矯正します。アイレーシック®(iLASIK®)の場合は、iDESIGN® Refractive Studioで得られたデータを活用し、高精度なレーザー照射を行います。
自動センタリング機能の3Dアクティブトラックや、虹彩紋理認識システムIRなど、さまざまな最先端テクノロジーを駆使しています。
目に入る光の成分には低次収差(近視・遠視・乱視の成分)と、指紋と同じようにすべての方で異なる高次収差があります。高次収差とは、光が目の表面の角膜から水晶体を通過して網膜に届くまでに、それぞれが持つ目の形状によって微細にゆがんでしまうことです。
メガネやコンタクトレンズで低次収差を矯正することはできますが、高次収差を矯正することはできません。同じ“視力” でも人によって “見え方” が異なるのは高次収差の違いによるもので、高次収差が少ない方はクリアに見え、高次収差が大きい方は物や字の判別はできますが、すっきり見えません。この高次収差を矯正することができれば、その方にとって最も快適な “見え方” になると言われています。
スタンダード式のレーシックであるイントラレーシックでは、近視・遠視・乱視の度数によってレーザーの照射量を変えて一定のパターンで照射するもので、矯正できるのはメガネやコンタクトレンズと同じように 低次収差 (近視・遠視・乱視) のみです。
高次収差を測定するために、天体望遠鏡の開発技術である” Wavefront テクノロジー” を応用した技術、WaveFront システムが iDESIGN® Refractive Studio に内蔵されています。この WaveFront システムは、最大1257ヶ所もの測定ポイントを直径7mmの瞳孔上に設置し、低次収差と高次収差を測定します。測定したデータはフーリエ解析という独自の方法にて解析され、その後エキシマレーザーシステムに移してレーザー照射プログラムを作成します。フーリエ解析は他の検査機器で使われているゼルニケ解析よりはるかに高い精度で収差を解析しますので、高次収差を的確に矯正することができます。
レーシック手術は、角膜の中央部分にレーザーを照射して人工的にその部分の形状を扁平化または突出化させ、近視・遠視・乱視を矯正します。そのため、レーザーを照射した部分と照射していない部分とでは形状の違いによって光の入り方に差が出てしまいます(高次収差の増加)。
特に夜間や暗い部屋で瞳孔が大きくなった時にその差を顕著に感じるようになり、下記のイメージ2のように、光がにじんで見えるハロや、ギラついてまぶしく見えるグレアが発生してしまうことがあります。
イントラレーシックではレーザーの照射径が通常6mmなのに対して、アイレーシック®(iLASIK®)では照射径が8mmになります。径が大きいほど角膜形状の変化がゆるやかになりますので、ハロやグレアの増加を軽減する効果があります。
アイレーシック®(iLASIK®)は、暗所での瞳孔の開きが大きい方にも十分対応しています。
アイレーシック®(iLASIK®)は、iDESIGN® Refractive Studioの検査結果が正しく手術に反映できるように、虹彩紋理認識システムIR(以下IR)という機能を使用しています。iDESIGN® Refractive Studioでの測定時と手術中では、姿勢や照明の明るさが異なるため、眼球の位置や瞳孔の中心が微妙に変化します。 アイレーシック®(iLASIK®)は細かなゆがみも矯正するようにプログラムされていますが、いくら精密な検査を行なっていても、これらの環境の違いによってレーザーの照射位置がずれてしまった場合、逆に手術後に高次収差が増加してしまいます。正確に目標どおりの矯正を行うためには、レーザーの照射位置や角度は非常に重要です。
IRは検査時に一人ひとり異なる虹彩の模様の特徴を読み取り、それを元に同時に瞳孔の中心位置も把握します。そして、手術中にエキシマレーザーシステムが読み取った虹彩のデータと照合して、眼球の位置ずれを感知し、補正します。IRは、高次収差の増加を抑える最高精度のアイレーシック®(iLASIK®)を行うには、なくてはならない大切なものです。検査時の測定中心とレーザー照射時の照射中心を一致させるこの技術は他社のレーザーシステムには備わっていません。
手術中は目が動かないことが理想ですが、どうしてもわずかに動いてしまいます。STAR S4 IR® エキシマレーザーの3Dアクティブトラック(位置合わせ技術)は、レーザー照射中の目の動きを立体的に補足し、三次元追尾しながら正確にレーザーを照射します。もし目が大きく動いた場合は、レーザー照射を自動的に停止するセーフティ機能が働くので、もし目が動いてしまったら、とご心配な方にも安心です。
レーザーの照射時に、照射径の大きさを角膜の矯正する位置や形状によって、0.65mm〜6.5mmの間で最適に変化させる機能です。これにより、角膜の切除量を抑え、手術時間も最短にすることができます。
レーザーの照射速度を6-20Hzの間で変化させながら照射することで、角膜の温度を一定に保ち、角膜への負担を最小限に抑えます。
イントラレース®レーザーで作成したフラップは、全領域において均一な厚さになり、なめらかな切断面が得られるので、フラップ作成における高次収差の増加を最小限に抑えられます。みなとみらいアイクリニックで使用しているイントラレース®レーザーは、この種のレーザーでは世界一のシェアを持つアメリカのAMO社の最新機種 ”iFS” です。iFSはフラップの縁の角度が自由に調整できるので、マンホールの蓋のようにぴったりと戻せるフラップを作製することができます。ずれにくく強固な接着で、上皮細胞のフラップ下への迷入も最少化することができます。
また、iFSはフラップの大きさや位置、ヒンジ(蝶番)の角度を自由に設定できるので、アイレーシック®(iLASIK®)のレーザー照射径8mm全域が完全に露出され、より精度の高い矯正が可能になっています。
2000年1月、厚生労働省はVISX STAR レーザーシステムに対し、屈折矯正手術目的での使用を承認しました。さらにカスタムレーシックも2003年5月23日、世界で最も基準が厳しいといわれる FDA:米国食品医薬品局(日本の厚生労働省に該当) の認可を得ており、安全性と効果について確率された手術方法です。